先生が亡くなられて、はや15年にもなる。体捌きの自然さに驚いたのが最初の出会いであった。
昭和60年ごろ木造の県立体育館で、当時合気会広島県支部講習会で直接「受け」をとるチャンスに恵まれた。
師範は、呼吸の乱れ、力み荒々しさは全く感じられない中で受講者は、次々と制されていく…。
銃剣術をされていた経験もあるからか、するどく切って落とされる様に畳に沈んでいく。
聞き取れないような小声での説明をしながらの指導で 「あるいは… あるいは…」 と技は変化して行き
結局、どのような技の稽古を始めたら良いのか、分らぬような事もしばしばであった。
「合気道には決まった技はない、動いて行くところに技が出来るんだ」と言われた開祖の言葉にも通ずる。
日々の稽古で師範に一歩でも近づければと願い精進していきたいと思っている。
日野